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僕のこれまでの国際教育のまとめ

   もっとICTを使った国際共同学習を
  (これも、むっちゃ、長文、興味があれば、読んでね)

 

キーワード
 国際教育を阻むもの 

 テレビ会議システム 

 韓国で見たフィリピン在住英語教師との1対1の学習 

 アイデア創造教育 

 安全プロジェクト 

 E- Trekking Osaka 99 ISoNプロジェクト 

 故郷の家プロジェクト 

 英語スピーチコンテスト 

 英語合宿 

 オンライン・アンケート 

 

 

 21世紀をまたぐ時代にも、覇権国家の興亡・抗争が起きている。他国の社会・文化や人々の相互理解を目指す国際教育が、各国の摩擦を減らし、平和に寄与する。だが、この教育の理想は、学校教育の中で生かされてきたとは言えない。主な原因は、英語力不足と受験教育。

 

 1990年代、パソコン通信などを使った国際交流を始めたときは、テキストベースの交流、または、高額の国際電話料金を支払う簡易テレビ電話。それが今 では、スカイプを始め、多くのテレビ会議システムが開発され、ブロードバンドを使った高品質で、簡単に会議ができるようになった。

 

 テクノロジーの発達で、活発な国際交流・共同学習・共働学習などが可能となったが、現実には、一歩、踏み込んだ国際教育ができていないのでないか。

 

 それでも、受験教育の直接の影響を受けない小学校では、総合的な学習の時間の導入で、さまざまな活動が可能となり、実践校も増えてきている。だが、その 中身は、僕の見るところ、テレビ会議の場合、ダンスや歌、自己・学校・日本紹介などで単発的なイベントで終わっている。日常の教育活動と有機的に関連させ た活動になっていないのでないか。

 

 韓国の小学校で見たフィリピン在住教師との1対1の英語学習

 

 韓国のある小学校は、長年、続けてきた日本とのテレビ会議交流を断ってきた。僕たちは、日韓関係の悪化と捉えていたのだが、同校を訪問して、違う理由であることが判明。

 

 同校には、30台のテレビ会議可能なPCが置かれた教室があり、全校生徒がほぼ全員、週に一時間は、フィリピン在住の英語教師から英語を学ぶ。

 

 だから、日本側もそのような体制があれば、ぜひ、交流したい。つまり、通常の集団vs集団だと、直接、会話に参加していない生徒には、参加意識に欠けてしまうのだ。逆に言えば、だから、多くの場合、コーラスやダンスなど全員発表会みたいな形となる。

 

 さらに言えば、韓国のその小学校では、生徒1対1で、英語で会話ができる。これに対応できる学校でないと、その小学校とは交流できないのだ。

 

 受験教育のため本格的な国際教育は無理?

 

 中学以上になると、入学試験を考慮せざるをえなくなり、カリキュラムに「国際学習」を充てられない。個々人の教員が、国際学習の重要性を説いても、学校全体の同意を得られない。

 そこで、個々の教員が、カリキュラム外で、取り組むのだが、これだと中途半端に終わる。受験に邪魔だとクレームをつける保護者もいるかも知れない。

 

 長年、現場で教壇に立ってきた僕は、だから、「学校はone of them。学校にわが子の教育を任せていてはいけない」という考えで、わが子の子育てを「実践」してきた。

 

 僕の実践、高等学校の現場で

 

 英語教師の僕は、社会・経済問題にも関心があり、国際学習も、このような分野で、内容の濃い実践ができないかと考えてきた。幸い、勤務先に「国際科」が設置されており、テーマが良ければ、各種基金から、助成金を得られることを知った。

 

 特に、1990年代以降、IT・ICTの普及を追い風として、優れた教育企画には、行政や民間企業が、積極的にサポートしている。だが、ポイントは、アイデア。

 

 (以下の実践を通して、僕は、「アイデア創造教育(Education for Idea Creation?)」みたいなものがカリキュラムに導入されないかという「アイデア」にたどり着いた。アイデアが新しい産業・起業の種となる時代に、サ バイバルするには、アイデアを持つ人材を養成することが今日の教育の最重要課題じゃないだろうか。)

 

安全プロジェクト ニューヨークハーレムの学校と

 

 総合的な学習の時間が導入されると、生徒を教室の外に連れ出すことになる。これは、リスクを伴う。そこで、僕は、安全をテーマにすることを思いついた。 結果、「安全プロジェクト」として、外務省の外郭団体だった旧日米交流センターから助成金をえて、ハワイやニューヨークの生徒を招くとともに、逆に、日本 の生徒を派遣した。

 

英語スピーチコンテストを海外と結ぶ

 

 僕が勤務した高校の国際科では、毎年、英語スピーチコンテストが行われる。電話回線を使った簡易テレビ会議システムを導入して、シアトルやハワイと接続し、現地の生徒の感想を得たり、先生にジャッジに加わってもらった。

 

英語合宿とE-Trekking Osaka 99

 

 3泊4日の英語合宿では、毎年、神戸の国際学校から数名生徒を招き、各グループの指導を行ってもらっている。僕が担当した学年では、その国際学校からの生徒とともに、ハワイから生徒8名を合宿に招待した。

 

 この時期、ハワイの学校は長期休暇に入る。そこで、合宿で招いたハワイの生徒や別途交流していた韓国の生徒と、ETO(E-Trekking Osaka99を実施。

 

 主催:大阪私学教育情報化研究会
    マルティメディア教育研究会
 協力:財団法人コンピュータ教育開発センター(CEC)

 

 そこでインターネットを利用したのだが、その趣旨は、CECの報告書の中で、次のように書かれている(というか、僕が報告書に書いたのだが)。
 
 韓国・ハワイの生徒と大阪府内の高等学校の生徒たちが事前に電子メールやISDNテレビ会議システムを使って交流した後,大阪市内を携帯端末(ノートパソコン,PHS,ネットワークカード)やデジカメを持ってトレッキングする。

 

「ビッグデータ」をヒントに

 

 2013年頃から、「ビッグ・データ」という語が盛んに使われだした。そこで、データを使った国際学習ができないか、考え、企画したのがLook Asia Project(LAP)。

 

 データをもとに分析、議論する能力を育てることを目的とし、アンケートを作成し、集計したデータを自動的にグラフ化し、これを生徒たちに提示して、分析・議論させた。参加校:日本3、タイ、マレーシア、イラン、各1.参加生徒:約300名(2014年度)

 

 その他の企画

 

 他にも、僕の勤務校の教員の中に、在日韓国人シニアの受け入れ施設である「故郷の家」に知り合いのおばあさんがいたことから、故郷の家や韓国語教師の父 親を取材する企画を考えた。作成したホームページが、ホームページコンテストで、外務大臣賞を受賞。また、PCがdog yearと呼ばれる速度で発達したことに伴い、マルチメディア作品制作を軸にしたISoNプロジェクト(CEC協力)などを実施した。

 

 以上のような企画を実施するためには、


 「アイデアとアイデアの種の存在」*
 「賛同・協力する教員・学校・研究者(専門家)の協力」
 「他団体・外国とのネットワーク」
 「技術力」
 「担当者の英語発信力」
 「(できれば)助成金」


 など、様々な力が求められる。

 

 特に、アンケートを用いて、踏み込んだ国際教育を行おうとすれば、各国間で、文化・思想・宗教などの違いで、摩擦が起きる可能性がある。アンケートをど う組み立て、指導者間で調整できるか、これは、生徒間に活発な意見交換を促すリーダーシップとともに、最重要課題だと言える。

 

 注:アイデアの種とは


 身近な環境の中に、企画を考える材料がないか。あれば、企画を進めやすい。いや、実際には、種となる「材料」は身近にあるのだが、どういう角度から切り 取り、どう料理するかがポイントとなる。僕の勤務校の場合は、国際科ということもあり、語学合宿や英語スピーチコンテストなどがあり、これを「種」とし て、企画を考えた。

 

 国際交流用オンライン・アンケート

 

 LAP(Look Asia Project)では、Kent Webのcgiを使った掲示板Joyful Noteを、改造して利用。


 作成には、ネットワークやcgiプログラムの知識の他に、英語力も必要となる。

 

 また、これら技術的側面の他に、内容について、参加教員間の調整、問題となる書き込みへの対処、アンケート項目によっては、コメントは匿名にするなど、考慮すべき点は多々ある。

 

 できれば、世界中の学校・教員が作成しているアンケート項目を相互利用できる環境を作ることができれば、データを活用した教育が進むことになろう。

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